便移植で腸内フローラ改善!潰瘍性大腸炎治療最前線

便移植、という衝撃的な治療方法が脚光を浴びています。便移植の若きパイオニア、順天堂医院 消化器内科 石川大助教授が便移植の現状や実際の患者さんの様子等について「たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学」で紹介しています。腸内フローラを一新させる便移植、様々な病の治療方法として発展していきそうですね。




便移植とは?

便移植とは、健康な人の便を病気の人に移植して病気を改善させる治療方法。潰瘍性大腸炎の治療法として注目を集めています。潰瘍性大腸炎は発症原因不明の厚生労働省指定の特定疾患。国内の推定患者数は2014年17万人、1970年代からなんと80倍に増加しています。食生活の欧米化が原因ではないかとされていますが、発症の原因は分かっていません。その為感知させる治療法がまだ見つかっておらず、下痢や腹痛などの症状を抑える薬はあるものの、効果にはかなり個人差があり、万が一重症化すると大腸全摘出の可能性もあります。

番組ではこの潰瘍性大腸炎に苦しんだ伊東智美さんの便移植治療を紹介しました。

便移植の効果は?

伊東さんは6年ほど前に潰瘍性大腸炎を発症、薬がなかなか効かず6年で3回の入退院を繰り返しました。強い腹痛と便意で日に20回もトイレに駆け込む生活を続けていましたが、同僚から順天堂医院の便移植を教えられます。アメリカやオランダの研究では便移植によって腸内フローラが一新され劇的に症状が改善されたという報告がかなりあるとのことで、伊東さんは治療を決意。

便提供のドナーは実の妹に頼み、2015年5月25日に実施。僅か40分で移植は終了し日帰りでした。
移植後4時間経過した時点で腹痛が起こらないことに気付き、以来6ヶ月経過した現在でも、薬無しで過ごせるほどに回復しています。

便移植の具体的な実施方法は?

石川医師から便移植についての説明がありました。

便移植の具体的な手順
@健康な人(ドナー)の便1回分を300tの生理食塩水で溶かす
Aフィルターでろ過し繊維質等の不要な固形物を取り除く
B患者のお尻から大腸内視鏡を入れる
C一番奥の盲腸付近でAの便液を注入
C便液が大腸内を通貨することでバランスのよい菌がすみつき腸内フローラを改善

思ったよりアナログで簡単なのに驚きますね。

ドナーの条件

便移植に使う便を提供するドナーには条件があります。

20歳以上
二親等以内
感染症や寄生虫検査で異常がない人

となっています。
ただし、2015年8月より、二親等以内の条件は「患者が認めた人」に変更になりました。二親等以内の条件は患者にストレスを与えない為でしたが、安全性が確認された為、患者が認めた人ならドナーになれることになっています。

便移植の便の条件

便移植に使う便はフレッシュでなければなりません。便1gには100億の腸内細菌がいるとされますが、空気に触れると細菌は変化し、特に嫌気性細菌は空気に触れると死滅してしまいます。
石川先生は菌の特性を考えると、長期保存や冷凍保存した便では治療がうまくいかないと考え、排便後6時間以内の便を移植に使っています。(つまり、治療の朝、排便したものを持参してもらうということです)

ちなみに、石川先生の臨床研究では40人の患者が便移植を受け70%以上が症状の改善を実感しています。伊東さんはかなり結果が良かった方だそうです。

今後は国の認可を受けるために臨床研究を続けるそうですが、現時点で順天堂医院では新たな患者の受け入れは未定です。

便移植はまだ始まったばかりの治療法であり、保険適用外治療でもあります。現時点で実施しているのは、

順天堂大学医学部消化器内科
慶応大学病院
千葉大学医学部附属病院
滋賀医科大学医学部附属病院消化器内科
藤田保健衛生大学病院

便移植の可能性

現在、潰瘍性大腸炎の治療方法として注目を集めている便移植ですが、他の病気の治療には使えないのでしょうか?

実はアメリカでは自閉症うつ病が便移植で改善できるかどうか研究中で、ラットを使った実験ではラットの性格が積極的になった結果も出ています。

またメタボリック症候群、U型糖尿病患者の腸内フローラは乱れているのではとも言われ、便移植で改善する可能性もあるかもしれないそう。まだ証明はされていませんが、腸内細菌にはそれくらいの将来性が秘められ、また期待もされています。

【あわせて読みたい】
腸内細菌移植療法(糞便移植)は潰瘍性大腸炎の最新治療方法と病院
posted by まきこ at 22:11 | アンチエイジング